ヘッダー部分を読み飛ばし、コンテンツへ移動。

記事一覧

令和4年3月分 寄付金報告

「パトリモニー」コレクション誕生20周年を記念し、「ONE OF NOT MANY (少数精鋭の一員)」のタレント オラ・イトとの長きにわたるパートナーシップにより実現した マニュアルワインディングの限定モデルが登場

2004年に誕生した1950年代のタイムピースに着想を得たメゾンを代表するコレクション、「パトリモニー」が、2019年にスタートした「One of Not Many(少数精鋭の一人)」のタレントであるフランス人デザイナー、オラ・イトとのパートナーシップにより、レトロなタッチが添えられたワントーンのイエローゴールド製モデル として登場。ミニマルなデザインに真の複雑さを秘めた高級時計製造への賛辞

2004年に発表した「パトリモニー」コレクションは、1957年にヴァシュロン・コンスタンタンが発表したタイムピースから着想を得たミニマリズムの美学とメカニカルな卓越性を組み合わせる時計製造の伝統が息づいています。誕生20周年記念した新作「パトリモニー・オートマティック」は、デザイナーのオラ・イトとのコラボレーションで実現した世界限定100本生産のタイムピースです。

1950年代に着想を得たミニマルの美学
オーデマピゲ スーパーコピー時計愛好家にとって、1950年代は構造の美しさを兼ね備えた傑出した薄型キャリバーの創造性を象徴しています。ヴァシュロン・コンスタンタンの超薄型機械式手巻きムーブメント1001と1003は、明らかにこの分類に当てはまるキャリバーです。また、1950年代は、機械的な精巧さの美的延長としてデザインされた時計が登場した時代でもありました。メゾンが1957年に発表したリファレンス6179や6187はその最たるもので、超薄型ムーブメントを搭載していました。

リファレンス6179

これらのタイムピースは、数世紀にわたり受け継がれるメゾンのヘリテージの中でも特別な位置を占めています。厚さわずか2.94mmのキャリバー1001は、その5つのアラベスクブリッジ構造がすぐに目に留まります。ジュネーブ・シールが刻印されたムーブメントは、その精密な調整装置によりクロノメーター認定に匹敵する品質のキャリバーといえます。1950年代初期に発表されたキャリバー1001は、キャリバー1003の先駆け的存在です。1955年にマニュファクチュールの200周年を記念し、厚さ1.64mmの世界で最も薄いムーブメントとして発表されたキャリバー1003は今日においても、これまでメゾンが製作した中で最高品質のムーブメントのひとつであると評価されています。
2004年に発表した「パトリモニー」コレクションは、メゾンならではの控えめなデザインとエレガントなオーラが際立つ、伝統的なクラシカルな時計製造を体現しています。誕生から20年経ち、今ではメゾンを代表するコレクションの1つとなったパトリモニーのタイムピースは、ラウンドケースにスリムなベゼルの組み合わせ、ドーム型のダイヤルとそこに沿うように緩やかな曲線を描く細身のアプライドインデックスとバトン型の時分針、およびパール状のミニッツトラックなどのデザインコードを守ってきました。

パトリモニー81180 000J(2004年)

一見シンプルな外観でありながら、その精巧なデザインの実現には極めて高度な職人技を要します。ダイヤルの微細な湾曲にはミクロン単位の厳密なプレス加工が用いられています。細部へのこだわりは、緩やかな曲線を描く針やアワーマーカー、パ ール状のミニッツトラックにも表れています。機械による加工の後、微小なサイズの部品ひとつひとつに手作業による調整が必要とされます。
控えめな審美性は、スタイルにおいては相反して複雑な過程を必要とし、コレクションの原点に忠実な時計機構の開発をすることで実現されました。メゾンはこれまでに厚さ3.90mmの手巻きのミニット・リピーターを搭載したキャリバー1731や、厚さ4.05mmの自動巻きパーペチュアルカレンダー搭載したキャリバー1120など、極めてシンプルなものから複雑機構を搭載できる様々な超薄型ムーブメントの開発を手掛けてきました。

いずれもからという厚みのものです。本コレクションのすべてのタイムピースには、3針のものからレトログラード・デイ/デイトのような高貴な複雑機構まで幅広い機械式ムーブメントを搭載しています。

長きにわたるコラボレーションの結晶
2019年に始まった「One of Not Many(少数精鋭の一員)」キャンペーンにおいて、メゾンのタレントを務めるフランス人デザイナーのオラ・イトは、「良いデザインとは使い捨てのものではなく、永遠に残るように本質を見据えてデザインされたものである」と述べています。そしてパトリモニーとオラ・イトの美的感覚が出会い、交差したことで新作「パトリモニー・オートマティック」が誕生しました。オラ・イトが提唱する「Simplexity(シンプレキシティ)」という概念を具体化した「パトリモニー」コレクションをオラ・イトは長年にわたり愛用しています。

「Simplexity(シンプレキシティ)」とは、複雑な問題に対してシンプルな対策を提案することを意味します。目に見えない複雑さ(complex)を伴う対象に、シンプル(simplicity)な外観を与える。一見相反する2つの概念を融合させた造語です。建築における家具だけでなく、香り、電話、公共交通機関にいたるまで、オラ・イトの絶え間なく新しいものを生み出す力と、必要不可欠なものだけに集中するという一貫した姿勢が、今回の「パトリ
モニー・オートマティック」にも見事に映しだされています。

メゾンを代表するタイムピース
この控えめで、本質的でタイムレスな新作「パトリモニー・オートマティック」は、コレクションを特徴づける究極のシンプルさを讃えます。世界限定100本生産の本モデルは、イエローゴールド製の40mmケースに収められたワントーンのダイヤルが、光を取り込む無数の同心円で輝くことで、ドーム状のダイヤルの表面にシンプルな円形の幾何学模様が波紋のように広がります。
また、アプライド・インデックス、パール状のミニッツトラック、ダイヤルの湾曲に沿って緩やかにカーブした針により、イエローゴールドが圧倒的な存在感を放っています。さらに6時位置に配された同系色の控えめな日付表示窓、メタリック転写によりサファイアクリスタルケースバックに配されたメゾンのロゴなど、多くのディテールがダイヤルに繊細かつさりげなくレトロなタッチを加えています。

サファイアクリスタルのケースバックからは、時分秒、日付を表示する自社製自動巻きキャリバー2450、ペルラージュ仕上げが施されたメインプレート、コート・ド・ジュネーブ模様で飾られたブリッジ、マルタ十字から着想を得たオープンワークのローターなどを賞することができます。このタイムピースには、丸みを帯びたエッジのレクタンギュラー型のフォルムでアクセントが添えられたバーガンディのカーフスキンストラップを付属、時計
のヴィンテージな個性を強調し、ケースとダイヤルの円形とのコントラストを際立たせています。

[インタビュー]
サンドリン・ドンガイ(プロダクトマーケティング&イノベーションディレクター)

――イエローゴールドを採用することで「パトリモニー・オートマティック」にヴィンテージ感が添えられました。メゾンの歴史において、ゴールドや貴金属はどのような役割を担ってきたのでしょうか?
『創業以来、技術的であると同時に貴重で装飾的な時計製造に打ち込んできたメゾンにとって、イエローゴールドが重要な位置を占めてきたことは間違いありません。その中で、ゴールドとプラチナは我々の歴史の中で好んで使用されてきた金属でした。もちろん、時代ごとにトレンドがあります。例えばイエローゴールドは1960年代に非常に人気を博しますが、1970年代になると、時計製造産業でスティールがより幅広く採用され始めます。こうした時世においても、ヴァシュロン・コンスタンタンでは、イエローゴールドは依然として強い存在感を維持していました。この時代を象徴するタイムピースとして、1972年に発表されたイエローゴールド製で左右非対称の台形ケースが特徴的な「Prestige de la France(プレスティージュ・ドゥ・ラ・フランス)」、イエローゴール製のノッチのついたベゼル、ケースと一体型になったブレスレットが異彩を放つ「222」の2点があります。1990年代後半には、ホワイトゴールド、そして特にピンクゴールドが主流になりました。』

――今年、パトリモニーの誕生から20周年を迎えました。メゾンにとってこのコレクションは歴史的に、また現代のクリエーションにおいて、どのような重要性をもっているのでしょうか?
『ヴァシュロン・コンスタンタンはこれまでに、薄さの追求において最高峰をきわめるタイムピースを創出してきました。メゾンの豊富なアーカイブは今日のタイムピースの製作にとって、尽きることのないインスピレーションの源であり続けています。デザイナーが新たなタイムピース製作に取り組む際には、メゾンが受け継いできたヘリテージと現行コレクションの貴重な繋がりを培うことが非常に大切です。20年前に「パトリモニー」コレクションを発表した際に私たちが特に注目したのは、洗練さとエレガンスで特徴づけられる1950年代の美意識でした。オーデマピゲ コピー「パトリモニー」は、この究極に控えめという伝統を踏襲し、時代の需要を取り入れつつも世代を超えて愛されるタイムピースを創作するというメゾンの信念を如実に表すコレクションといえます。薄さは単なる技術の問題ではなく、時代を超えて脈々と受け継がれてきたエレガンスの豊かな流れを汲んだ作品を創作するというデザイン哲学でもあるのです。「パトリモニー」のタイムピースの揺るぎない成功に、クラシシズムと現代性のこの組み合わせが寄与していることは紛れもない事実といえるでしょう。』